2021年12月7日火曜日

ベロゴリア戦記 第1章および第2章を見ました

(12/11 若干書き足したりしました) 

民話の時間だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ということで、ディズニーロシアが生み出したトゥルーロシアンペイガンフォーク民話映画「ベロゴリア戦記(原題: Последний богатырь)」を見てきました。朝6時に起きてぶっ続けで第1章と第2章を見たので体中が悲鳴をあげていますが、大量に摂取した民話力(ちから)のおかげでピンピンしています。人体の摂取量を大幅に超えたので帰りの電車で鼻血出ましたけど。

日本語版公式サイトはこちら。見る前はこのサイトのヴァシリーサの名前がヴァシリー「ナ」になっており、おい何ンだこりゃアどこから「ナ」が出てきやがったンだ原語でも英語でも「サ」だろうがそれに何ンだドブリーニャってドブルィニャだろ誰だ翻訳担当は民話関係全部俺に監修させろと両手足を振り回しながら床の上で大暴れしてたんですが、本編では普通にヴァシリーサでしたね。あと気がついたらサイトのほうも修正されてました。よかったよかった。怒ってないからね♡

ロシア民話をちょいちょい読んでいる者の感想としては、ただただ素晴らしい!!!ロシア本国製のロシア民話映画ということで安心して見られるしお約束はしっかり守ってるし、民話を読んでいれば読んでいるほど「そういう解釈でくるかァ〜〜〜〜〜〜ッッ」となる要素もあったりで、ただただ伝統に忠実なだけじゃなく、新しい風を吹き込もうとしている部分もあって個人的には好感触でした。いやあ、民話って本当にいいものですね。まあ気になる部分が無いわけじゃないけどな!

ただ、ツイッターのフォロワーさんもおっしゃってたけど、ロシア民話を知らない人・詳しくない人にとってこの映画がどう映るのか非常に気になるところではあります。説明もなく登場する民話ガジェットや民話キャラクターが結構いるので、どこまで民話世界が伝わっているのか、ロシア民話の面白さが伝わりきっているのか不安で不安で…。やはりロシア民話集を教育の課程で必ず履修する義務を課すべきではないでしょうか。べきではないですか。そうですか。


そんなこんなで、以下ひたすら感想とは名ばかりの叫びを箇条書きにしただけの文章が続きます。クソデカ感情が爆発してしまったため文章がやかましいです。ネタバレしまくりなので気にする人は注意です。あと民話の解説とか全然してない不親切な叫びばっかりなので、より詳しく知りたい人は岩波文庫のロシア民話集や平凡社のブィリーナを手にとってみてくださいな。


関係ないけど今「〜戦記」ってタイトルを見るとロナルドウォー戦記がパッと出てきて困る。ゼンラニウムと拳兄と流れ星を降らせるおじさんが好きです。




ーーーーーーーーー第1章ここからーーーーーーーーー




・ディズニー映画ではお馴染みシンデレラ城のイントロが始まるわけですが、画面を横切るようにヤガーの家が飛び跳ねてカットインしてくる!!!もうこの画を見られただけでチケット代の元は取れました。こんな美しいイントロが今まであっただろうか。どっちに住みたいかって?んもう、分かってるくせに。

・ヒエーーーーーーーッッ!!!のっけからアリョーシャ・ポポーヴィチだ!!!!負けてるけど!!!!皆もブィリーナを読め!!

・イワンが持ち歩いてる針のペンダント、ニクいねぇ。コシチェイ出てくる映画だからねぇ。ヒヒヒ。

・民話でお馴染みのアイツやコイツが登場する時の演出がこれまたニクい。知っている人が見たら1発で分かる、きたきた!というワクワク感がすごかった。コシチェイのバラバラ状態での凍結はなるほどと思ったし、ヤガーの服からこっそり出てくるカエルなんて待ってましたと言わんばかりですよ。劇場に誰もいなかったら立ち上がって拍手してたよ。

・長机を囲んで食事を楽しむシーンでチョウザメの頭がドン!!と置かれてて、ウワーーーーーーッッッ!!!!ビリービン再現!!!!!!って座席から立ち上がって叫びながらスクリーン指差しそうになった。おいらも漫画で描いたよ。ルーシの宴にチョウザメはお約束なンだ…!!

・ヴォジャノーイを呼び出す時の水辺で佇むヴァシリーサ、元になった絵画か何かがあったような気がするんだけど何だったかな。気のせいかな。ペイガンメタルバンドАрконаのЯвьのジャケっぽい雰囲気で大興奮してましたけど。

・旅をしながらスマホで写真撮りまくってるのが良い。楽しそう。自分があっち行ったら木造建築と民族衣装ばっかり撮ってそうだけど。

・い、命の水ってそういう使い方できましたっけ!?!?何の説明もなく出てきたけど、これロシア民話履修してないとヤガー婆さんが持ってる不思議アイテムの1つとしか認識されない気がするな…。

・というかヤガー婆さん、本当は杵で臼を漕いで、通った道を箒で消しながら進むっていうややこしい移動手段のはずなのに、最初から最後まで臼が浮かんでましたね。解釈違いです(過激派)いやそんな面倒なものを映像に起こすの大変だからだろうけど、けど。

・まあ、このシリーズ最大の解釈違いはゴルィニチです。なんというか、ちょっと「洒落たひねりを加えてみました」感があるというか、ズメイはやっぱり強大で恐ろしいものであるべきという自分の糞ったれた認識があるので、原作版ヒックとドラゴンのトゥースレスみたいな感じになってるのは残念だったな。せめてゴルィニチの子供で、親はどこかの山でスヤスヤしてますとかだったらいいんだけど……。

・そして字幕よ、ズメイは竜じゃねーから!!!!!!!!!

・アクションは全編通してかなり激しくてかっこいい!やたらと男の尻に対する攻撃が激しい気がしたけど何故なんだ。

・特にヴァシリーサのアクションはいいね!!オーソドックスな剣技なんだけど、三つ編み振り回しながら舞う姿が美しくて見惚れてしまった。カエルに変身して敵をやりすごす知恵も見せるし、やっぱ俺たちの賢女はこうでなくちゃな!どっかの脳筋とはえらい違いだ!!

・海から蘇る勇士たちの姿…こ…これは……うわーーーーーーーーーッッッ!!!!!!サルタン王物語だーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!助けて!!!!!!!!!まさかあの名場面へのオマージュを最後に持ってくるなんて……美しすぎて泪出たよ。このシーンまでにも大体泣いてた気がするけど。このシーンのキラキラ輝く黄金の勇士達の姿、プトゥシコ版をオマージュしてません?してないかな。

・結局アリョーシャ何もしなかったね?イリヤーと並び立つ勇士やぞ??

・エンドロールにЧудо-Юдо(チュード・ユード)の名前があって、は!?!?出てたの!?!?!!?マジで!?!!?!?!?えっでもゴルィニチ以外にズメイって出てなかったよね?どれのことだ……??





ーーーーーーーーー第2章ここからーーーーーーーーー





・「なんだコロボークか……コロボーク!?!!?!?!?」ってイワンがリアクションしてたけど、見てるこっちも全く同じリアクションしちまったよ!!バユンとか火の鳥とかレーシィとか、まだまだ民話や伝承に出てくる有名なあれやこれがいるはずなのに、何故ここでコロボークを選んだ!?攻めすぎじゃないですかね!?木の上で待ち構えてるから、もしかしてソロヴェイか!?ってめちゃくちゃ期待に胸膨らませちまったじゃねえか!!俺のときめき返せ!!でもこういう映画でこいつがチョイスされるのはめちゃくちゃレアな気はするし、まあこれはこれで得したってことにしよう。良いキャラしてたし。

・中世ルーシの街並みだあああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!これこそおいらが一番描きたい街の様子ですよ。なンて美しいンだ……iPadとスイッチ持って引っ越したい。引っ越していい?。店先で売ってるものの中にしれっと火の鳥の羽根を混ぜてきたりして、ああこの世界のどこかの空で君は太陽のように輝きながら舞っているのだな……などと思ってちょっとホロリときたよ。でもそれ持ってると災難に巻き込まれるよ。

・りりしい鷹フィニストだああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!って鷹にならねえのかよ!!!!!!!!!!!!!最初から最後まで人間かよ!!!!!!!!!!!!!!!!でもいいよ!!!!

・チュード・ユードってお前かよ!!!!!わかんねぇよ!!!!!ズメイじゃねえのかよ!!!!!!!この映画で1番の衝撃だよ!!!!!

・敵が狼に乗ってるよ!!!!灰色狼じゃなくて黒い狼だったけど!!!

・女の子が見つけた花、あれイワン・クパーラの羊歯の花がイメージ元になってたりしないかな。いや、自分が抱いているイメージにめちゃくちゃ近かったからそう思っただけかもしれないけど。

・地下から現れる根っこ…地下に閉じ込められている……ま、まさか……ヴ……ヴィイじゃないのか……(´・ω・`)

・空飛ぶデカいクジラ、これもしかしてエルショーフの「イワンとふしぎなこうま(せむしの子馬)」ではないですか!?すごいところから引っ張って来たな!!!

・大地の上にたたずむ巨人の頭、ルスランとリュドミラやないですか!!!!と思ったらなるほどね。アラジンへのオマージュも入ってるかな。ディズニーだし。

・「Мать — сыра земля(母なる湿潤の大地)」という言葉をイリヤーの口から聞けるなんて思わなかった。この言葉はロシアの民間伝承や信仰において非常に大切な大地信仰に関わる語なので、この映画でこれが使われたということは、それだけ製作陣が彼らの民話や伝承を大切にしているということの証明だと思います。全編通して一番涙が止まらなくなったシーンです。自分でもどうかしてるとは思う。

・ラスボスの姿が木の根が絡み合ったような姿で、しかも地下に1000年封印されていたとか、やっぱりこれヴィイのイメージがベースにありませんかね?目がものすごく特徴的で非常に不気味。めちゃくちゃ良い。名前は出さずともまぶたを持ち上げたりしてほしかったな。

・コシチェイの本当の名前はミクーラ……えっミクーラ!!!?!??!?!?!?お前ミクーラなの!!!!!?!??!?!!!?!?!?叫びそうになったのを必死で抑えたけど、いやまさかここでブィリーナの中でもスヴャトゴールと並ぶほど古い勇士と関連付けられるとは思わなかった…製作陣やべえな……どうかしてるぞ……(褒めてる)

・ヤガーの家!!!!!お前……生まれた時から家なんか…!!!!!!!!!

・クリフハンガーーーーーーーー!!!!!!!!!第3章ください!!!!!!!!!



そういう感じでした。全体としては第2章のほうが民話野郎的な感動ポイントが多くて良かった…っていうか、正直言うと全部分かったか不安…明らかに第1章とは比べ物にならないぐらい民話密度が濃い…どういうことなんだこれは……!!

そして、喜んで円盤買いますので、劇場公開されなくてもDVDスルーでも配信でも何でもいいから第3章を見させてください…生殺しは勘弁願いたい…!!!



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